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【わかる!】小さな会社の固定資産税申告で迷わない

資本金1億円以下の中小企業や、個人事業主など青色申告者については、
少額な減価償却資産について即時、もしくは短期間での損金算入が認められています。

なお、固定資産税は償却税とも呼ばれており「地方税」の一種です。
法人税とは別の税法によって運用されているのでルールが異なる点に注意しましょう。

 

固定資産・償却資産とはどういうものが対象なの?

目に見える有形固定資産に掛かる税金

固定資産税というと、会社だけではなく個人の方も支払っているでしょう。
主に土地や建物など「見える資産」に対して課せられる税金の一つです。

逆に言えば、目に見えない資産は課税対象にはなりません。
例えば特許や実用新案、ブランドなどは「無形固定資産」となります。
また、開発費や創立費など「繰延資産」もまた対象外です。

これらは固定資産ではないので当然申告対象外になります。

契約がリースでも実態が固定資産の購入なら納税義務あり

人から借り受けているものであっても、固定資産税を支払う必要がある場合があります。

それが「リース資産」です。
リースというと車やPCなどの比較的小さめの資産をリース会社から借りるイメージです。
確かにリース会社から「借りている」のであるから固定資産を購入したとは言えません。
しかし、税法上はリースを利用した課税回避を防ぐ目的からリース資産にも課税を行います。

このようにリース会社のものを借りて、その代わりに毎月リース料金を支払う取引を、
「オペレーティングリース」と言います。
借り手は最初にまとめて機器を購入しなくていいので資金繰りが楽になりますし、
リース会社もそれらの資産を減価償却資産として計上することで利益の繰り延べができます。

オペレーティングリースされた資産はある年数利用した後にリース会社に返却されます。
リース会社はそれらの資産を売却することができます。

一方「ファイナンスリース」というものもあります。
ファイナンスリースは簡単に言えば単なる「分割払い・割賦契約」です。
単純に借り手はその資産を購入する際に、最初リース会社に代わりにまとめて支払ってもらいます。
そうすることで、同じように最初に資金繰りの負担が軽減されるのです。

しかし、このファイナンスリースの場合は単に最初まとまった資金がなく、
リース会社に立替払いをしてもらっただけで、資産の所有者は借り手なのですから、
実はリースであっても取得価格20万円以上であれば、固定資産税を支払う必要があります。

 

固定資産の申告は決算期に関係なく1月から12月まで

個人の所得税と同様、固定資産税の申告は1月から12月までのカレンダーイヤーで計算します。
つまり、法人税における会社の決算期とは関係ありません。

単純に1月から12月までに固定資産が増減した場合は、会計上の前期だったとしても申告します。

 

取得価格10万円未満なら誰でも損金算入できる

東京都のテレワーク助成金など税込み10万円以下で購入した機器等については、
固定資産(資産)ではなく、消耗品(費用)として購入した事業年度中に損金算入が可能です。

固定資産税の申告においてもこれらの機器については、
短期的に用いるために購入されたものとして費用とみなされています。

ちなみに「損金」とは会計における「経費」や「費用」と近い概念ではあるのですが、
税法上費用として認められるもののみを指しています。

例えば、従業員のボーナス、つまり人件費は当然「費用」ですから損金算入できると考えますが、
役員のボーナスはたとえ会計上は「費用」であっても税法上の損金とはなりません。

なぜなら、これを許すと役員は経営者として法人の利益を操作して、
法人に利益を残さず、自らの報酬を増やすインセンティブが働いてしまうからです。
それでも、役員にボーナスを支払うことはできます。ただし、税法上の損金にならないため、
申告する際はその分は利益として課税所得に含まなければなりません。

 

10万円未満の資産の取り扱いのまとめ

  • 10万円未満(99,999円まで)のモノは固定資産にならない
  • 法人税法上も全額損金算入
  • 固定資産税法上も申告不要

 

中小企業で取得価格30万円未満なら即時に損金算入できるが

中小企業には法人税上、固定資産に関して「中小企業特例」が設けられています。

この特例は「中小企業者の少額減価償却資産」として特別に定められており、
先程の少額減価償却資産を除く、取得価格30万円未満の資産は即時損金算入可能です。

しかし、この特例、
実は固定資産税の申告には関係ないのでちゃんと申告しなければなりません。

というのもこの中小企業向け30万円未満の特例はあくまで「法人税」における話で、
この固定資産税(償却税)については別の税法で運用されているものであり申告が必要なのです。

ということで、実務的には30万円未満の資産を購入した場合も資産として明細書の添付が必要です。

 

30万円未満の資産取り扱いのまとめ

  • 10万円以上(100,000円から)30万円未満(299,999円まで)のモノは固定資産
  • 原則として法人税法上は減価償却が必要、ただし中小企業は一括損金算入が可能
  • 固定資産税法上は資産として申告が必要

 

10万円以上20万円未満の資産については固定資産税の申告が不要

ここでまた厄介なのは実は取得価格が10万円以上20万円未満の場合の資産については、
3年間で3分の1ずつ経費(損金)として償却して良いという法人税の規定があります。

2 取得価額が10万円以上20万円未満の減価償却資産については、一定の要件の下でその減価償却資産の全部又は特定の一部を一括し、その一括した減価償却資産の取得価額の合計額の3分の1に相当する金額をその業務の用に供した年以後3年間の各年分において必要経費に算入することができます。

実はこの処理をした場合については固定資産税についても申告が不要となります。
つまり、「20万円未満の資産」については固定資産としての申告は不要ということです。

 

法人税と固定資産税の違いを考える練習問題!

例えば「中小企業が25万円のノートパソコンを購入した」際はどうなるでしょうか?

10万円未満でもなければ、20万円未満でもありません。つまり固定資産です。
法人税法上は「減価償却」という処理を行いますので、PCの場合は「4年」で償却します。

主な減価償却資産の耐用年数表-https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/pdf/2100_01.pdf

一方で、20万円以上なので固定資産税の対象となる資産として申告が必要です。
全額すぐに損金算入にできるわけではないのと、固定資産として扱われてしまうので、
見方によってはあまり美味しくはありませんね!

 

10万円以上20万円未満の資産取り扱いのまとめ

  • 10万円以上(100,000円から)20万円未満(199,999円まで)のモノは固定資産
  • 法人税法上は減価償却が必要だが3年で償却可能
  • 固定資産税法上は申告が不要

これまで説明してきた内容は「固定資産税(償却資産)申告の手引き」でも紹介されています。

法人税と固定資産税は別物だけれども、減価償却期間などで一部共通しているものもあります。
しかし、だからといって「30万円未満は申告が不要!」と思わないでください。
あくまで、中小企業向けの特例として法人税法上は損金算入が認められているだけということです。