個人事業のときは全く気にしていなかった資金回りのしごとですが、
法人になった途端に税金や社会保険料、給与や請求書対応など忙しくなります。
そして振込手数料が結構かかることにも気づきます。
ベンチャー企業や中小零細企業にとっては1件あたり数百円も塵も積もればです。
三菱UFJ銀行の他行宛振込手数料は1件あたり770円です。
金融サービスを維持していただいているのはありがたい反面、
1企業として20件以上振り込むとなると小さくない額かなと(さすがに)思います。
三菱UFJ銀行のBizStationスタートアップパッケージを使ってみた
Wiredの記事にもなっていますが、スタートアップ企業向けにオンラインバンキングである、
BizStationというサービスの利用料を無料化する取組みがあると伺いました。
https://wired.jp/2020/03/31/mufg-bizstation-ws/
どこまでの社歴の企業が対象なのかはわかりませんが、
かねてより口座を使わせてもらっていたこともありメールを頂きました。
申し込みページはこちら
この取組簡単に言えば「三菱UFJ銀行の法人用システムが無料で使えます」ということです。
あまり知られてはいませんが、今まで多くの銀行では、
法人用のオンラインバンキングは「有料」なのです!
簡易版の「BizStation Light」は無料で使えるのですが制限があります。
(まだそこまで不便はなかったですけれど)
特典1 月額使用料が2021年9月末まで無料!
特典2 総合/給与 振込サービスが2021年9月末まで無料!
特典3 振込入金メール通知サービスが2021年9月末まで無料!
現時点ではものすごく困っているわけではないですがせっかくですから、
早速申し込みを行いました。
ベンチャー企業でも総合・給与振り込みサービスはかなり便利
会社が銀行で一番良く使うサービスは取引先や従業員への支払いです。
金額ミスも許されず、事前に何度も確認して登録するのですが、
これまでは給与計算をソフトで行ってから、出力した一覧表を一つ一つ打ち込んでいました。
もちろん、目視でのチェックなので数が多くなることを想像すると大変です。
まだまだ数が少なかったのですぐ終わる作業でしたが、
これからのことも考えて、「FBデータ(全銀データ形式)」をトライしてみました。
実は給与計算用のサービスによっては直接連携して振込ができる銀行もあります。
みずほ銀行や三井住友銀行はマネーフォワードから直接連携できます。
ただ、今回は三菱UFJ銀行ということでマネーフォワードでFBデータを出力してから、
BizStationに読み込ませて振込をしたいと思います。
BizStationの給与振込の際に必要な振込依頼人コードがわかりにくい
マネーフォワード給与でのFBデータの出力は難しくありません。
給与計算を確定すると右上の[振込業務] > [給与振込データをFBデータ出力]が出てきます。
マネーフォワード クラウド給与(FAQ)
Q. FBデータを利用した振込には対応していますか。
https://support.biz.moneyforward.com/payroll/faq/transfer/t01.html
ただ、マネーフォワード上で支払口座の情報登録が必要なのですが、
BizStationにおける「振込依頼人コード」がどれなのかよくわかりませんでした。
結果的には以前BizStation Lightを申し込んだ際に届いた「サービスご利用のご案内」
という書類に記載の「契約者番号(10桁)」を入力するとできました。
マネーフォワード クラウド経費(FAQ)
Q. 振込依頼人コードとはなんでしょうか?
https://support.biz.moneyforward.com/expense/faq/office/o03.html
当然ですがマネーフォワードではこの番号は把握していませんので、
それぞれオンラインバンキングを申し込んだ際に届いた書類を確認することになります。
マネーフォワードの給与FBデータで契約者番号を総合振込の振込依頼人コードとして、
振込をやってみたところエラーが出たような気がするので、必ず給与用の項目に入力しましょう。
給与計算を確定したあとは、[振込業務]→[給与振込データをFBデータ出力]を選択します。
三菱UFJ銀行の場合、そのままの設定で出力して大丈夫です。
振込には権限者の確認が必要だが上限金額エラーが出ることもある
さて、FBデータをインポートして無事BizStation上に、
給与振込の情報を登録できたとなるのですが、
実はこれ給与計算担当者が登録するところまでできたということで、
最後の振込には承認をしなければ振り込まれません。
小さな会社では担当者と承認者は兼務しているでしょうからいらない機能ですが、
大きな企業では内部統制の観点から必要な機能なので仕方ありません。
(内部統制とは「不正がおこならないよう監視する社内体制のこと」)
今回は担当者と承認者は同一人物なのでそのままの勢いで承認しようと、
「取引実行パスワード」と「ワンタイムパスワード」を入力してポチッと
したところ、以下のメッセージが出ました。
【エラー】利用者別に設定された1件当りの振込上限金額を超えています
初回登録時にも見かけたこのエラーメッセージですが、
BizStationでは最初は振込の上限額が0円に設定されています。
「いや、個人用口座でも最初から100万円くらい上限になってるでしょ!」
と突っ込みたくなるところです。しかもパスワードを何十にも入れた後で、
もうワンクリックで振り込まれるという最後の最後でエラーメッセージが出るので悲しいです。
この過ちに陥ったときは[各種設定] > [利用者登録]から振込上限金額を設定する必要があります。
だいたい1千万円くらいに設定しておけばしばらくは大丈夫でしょう。
BizSTATIONで必ずはまる上限金額エラー対策と振込手数料の比較
https://kenko-san.com/biz-station/
ということで今回は三菱UFJ銀行のBizStationをベンチャー、中小零細企業が使うときに、
陥りがちな落とし穴についてご紹介しました。
最近ではインターネット銀行の多くは法人用インターネットバンキング機能も無料だったり、
手数料もかなり安くなっていますので振込が多くなる場合はそちらの活用も検討したいですね!