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【新規適用事務所】社会保険に関する初年度調査を完了しました

管轄の年金事務所から「健康保険及び厚生年金保険被保険者の資格及び報酬等の調査の実施について」という、
お知らせを頂いたので依頼のあった資料を提出しました。

結果として全くもって問題なく調査を終了しました!

ただ、すんなりと終わったわけではありませんでした。

資料を提出してくださいと言われてすぐ出したところ、1週間後くらいに内容の確認の連絡を頂きました。
提出した資料は通知書に添付されていた概要を記載する用紙1枚と賃金台帳、そして所得税徴収高計算書です。

確認された事項は、手当類の説明をしてほしいということと、
基本給の引き上げに伴い等級が変更になる方がいる可能性についてでした。

弊社では社会保険事務に関しては迅速に行なうため、マネーフォワードとSmart HRを併用しています。
これらのツールは大変良くできているものの、
給与の内変動する可能性がある手当類について細かく等級を確認し、
自動的にアラートを発信するという仕組みまではありません。

今回は基本給の引き上げに伴い月額報酬が2等級以上変化したのではないかと疑われたということです。

基本的に毎月の給与は変動せず、年度査定しかない会社であれば、
1年に1回確認するだけで良いと思いますが、手当類により変動する場合や成果給の場合は気をつけましょう。

 

社会保険料事務を誤ってないのに指摘されてしまった!

 

前述の通り基本給のアップにより等級が変更になる方がいるという指摘を受けました。

しかし、最終的には1等級の変化であったため実際は正しい手続きでした。
規則上は2等級以上変動した際は随時改定手続きが必要となります。

しかしながら、こうした調査を受けてかなり細かく見られていることに驚きました。

初めての経験でしたがかなり厳しくミスを見つけていこうという姿勢も感じました。
その点、税務調査のように何かしらのミスを見つけたらお土産があるまで帰らないということは無いと思われるものの、
当初は遡及して納付するよう指摘されたのでかなり厳しいなと思います。

今回は新規適用事務所の調査であり、立ち会いが必要なほどのケースではありませんが、
少し構えてしまう方も多いかもしれません。

ただ、税務調査でも同様ではありますが基本的にはまず規則通りにやること、
次に自分たちができる範囲でやることが大事だと考えていたので特段素直に受け止めました。

ちなみに、税務で言えば法人税申告書を出さないというようなことは最悪です。
隠そうとしているということで悪質極まりないと判断され重加算税となります。

最初からガチガチに完璧にやろうと思わないくらいでないと、
小さな会社であれば顧問料ばかりかかってしまいます。

 

真摯にやってるなら石橋は注意して渡れば十分

 

前職で感じたのですが専門家が経営における「リスク」を強調するのも考えものです。
いわゆる士業の仕事はどちらかというと後ろ向きな仕事だと言えます。

実際最も価値があるのは会社が売上を上げて利益を出すことです。
それは経営計画をしたり財務分析をしても形としては出来上がるものの、
それを実行するための責任所在、人材や意欲、リーダーシップなどが着いてこないと意味がありません。

その点、リスクを補強するのは簡単です。
リスクを指摘してそこに費用をかけて完璧にこなせば無くなるからです。
ただ、バグはずっとなくならないようにリスクも完璧にはなくなりません。

確かに人間一度失敗しないとそのリスクに気づかないことはありますが、
あからさまに違法な行為をしていないにも関わらず、
リスクに怯えて万全の対策を取りすぎるのもまた労力が非常にかかることです。

特に中小・ベンチャー企業においては新しい価値を生み出すことが最重要であって、
リスクに怯えてコストを掛けたり、何もしないことのほうが問題です。

コンサルティングをしていた頃は大企業向けに税務リスクアセスメント等も行っていましたが、
真面目に考えてやっている会社であればそう大きなリスクはありません。

例えば税務でも上場企業であっても事業形態や連結の有無、国外取引の有無等によって、
税務リスクが発生するポイントは大きく変わってきます。
全体を見た時にインパクトの大きい論点に絞って対策をすることが大切です。

その点、中小・ベンチャー企業において、
税務や労務に関する顧問がどれだけ必要かというと・・・(ゴニョゴニョ)