令和2年1月から雇用保険と健康保険の手続き様式が統一化
労務・人事担当者の方は長年待ち望んでいたであろう手続きの統一化が図られました。
新しい様式では労働保険・雇用保険・健康保険・年金保険の手続きが一つの様式で可能になります。
厚生労働省ー健康保険法施行規則等の一部を改正する省令案要綱
(労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則の一部改正関係)の概要
https://www.mhlw.go.jp/content/11401500/000520769.pdf
統一様式については、受付窓口も統一化し、年金事務所、
労働基準監督署及びハローワークにおいてそれぞれ一括して受け付けるという計画です。
対象となる届け出は、新規適用届・適用事務所全喪届、被保険者資格取得届、被保険者資格喪失届です。
既に届け出が統一様式で出来るようになっていますが、気をつけるべき点が3つあります。
1. 統一様式は全国健康保険協会が管掌する健康保険の適用事務所に限り提出可能
2. 労働基準監督署では受け付けていない届け出が多い
特に多く提出することの多いであろう被保険者資格取得届、被保険者資格喪失届については、
年金事務所とハローワークの統一様式ということで労働基準監督署の窓口では提出できません。
とりあえず統一様式での社員の入退社手続きは、基本的には年金事務所で行ったほうが良いですね。
意外と把握されてない社会保険手続きをおさらい
サラリーマンだと自然に加入している各種社会保険ですが、実は背後の制度や手続きが複雑でした。
例えば起業して法人を設立したときに必ずお世話になるのは年金事務所と労働基準監督署です。
健康保険(全国健康保険協会(協会けんぽ))・厚生年金保険手続きをを提出するのは年金事務所、
雇用保険と労働保険の手続きをするのは労働基準監督署なのです。
新設法人で小さい会社であればほとんど健康保険は「協会けんぽ」という健康保険組合に入ります。
これが「全国健康保険協会」というところの健康保険です。青色のカードになっています。
大手企業や業種によってはそれぞれに健康保険組合がある場合がありますので、
青色だったり緑色だったりカードの色が違いますが、健康保険証という意味においては同じです。
年金は当然年金事務所で手続きできるのですが、
これまでも協会けんぽに限っては健康保険にもかかわらず、年金事務所で手続きできたのです。
大手企業では独自の健康保険組合を持っていることから、
労働者であったとしても制度をあまり知らないという方も多いのではないでしょうか。
労働保険と雇用保険の認知度は低いのはなぜ?
労働保険というのは「労災保険」と言われることもある「業務上のケガや負傷に対する保険」です。
労働者の加入が義務付けられており、業務上の事由又は通勤によって負傷したり、病気に見舞われたり、
あるいは不幸にも死亡された場合に被災労働者や遺族を保護するため必要な保険給付を行います。
雇用保険というのは労働者が「失業した場合に生活を安定させるために支払われる保険」です。
これによって雇用の安定化や再就職を促進するための給付を行います。
いわゆる「ハロワ(ハローワーク)」というのはこうした失業手当の申請や就職活動のための機関です。
労働保険と雇用保険は労働基準監督署・ハローワークに行かなければ手続きできませんでした。
今回の統一様式化に伴ってこれら2つの労働系保険の加入も年金事務所で提出出来るようになったのですね。
e-Gov(電子申請)は便利だけどまだまだ改善点も多い
これまでご紹介した統一様式化の話は、あくまで書面での手続きをする際の話でした。
しかし、今では電子申請という方法ですべての社会保険手続きが出来るようになっています。
最近では労務管理系のSaaSサービスであるSmart HRを活用している企業も多く、
弊社でもこのサービスを使って社員の情報提供から各種社保手続きを完結させています。
ただ、こうしたサービスは民間のサービスなので毎月費用がかかることが一般的です。
そこで、e-Govという政府のソフトウェアを使うことで無料で電子申請をすることが出来るのです。
このe-Govを使えるとこうした社会保険手続きがオンラインで出来るようになります。
しかし、ソフトのインストールから電子証明書の設定まである程度ITの知識が必要なところもあります。
弊社もSmart HRと併用してe-Govを活用していますが何度も差戻しをされてしまったり、
結果として書面で提出したほうがスピーディーに申請ができる場面が何度もありました。
現状のユーザービリティ(使い勝手)では書面での手続きのほうが良いと思われてしまいます。
弊社ではUX・ユーザービリティ分析を実施しています
こうした多くの方が利用するサービスは綿密にユーザーの行動を理解する必要があります。
しかし、政府系サービス、行政サービスのIT活用はますます進んでいますが、
多くのシステムは活用されていません。
行政サービスが「効率化」や「システム化」を目的としてユーザーを理解していないからです。
また、大手ベンダーにはUXやユーザービリティの専門家がおらず、
ユーザーである手続きを実施する一人一人の行動や思考を把握した上で解決策を考えることができません。
弊社はこうした行政サービスの1ユーザーとしての実務経験を持つ、
UXおよびユーザービリティの専門家が在籍しています。
e-Govやe-Tax、e-LTaxなどの全国民が利用する可能性があるシステムにおいては、
一つ一つの行動を改善していくことが大きな経済的メリットを生み出します。
これからの時代、弊社のようなユーザーベースの専門家が活躍することで、
社会へのインパクトは絶対的に大きくなると思うのになといつも考えております。
ぜひ、弊社の得意とするCHI(ヒューマンコンピュータインタラクション)の最新研究を踏まえた、
ユーザービリティーやUX分析を政府や行政サービスの担当者に体感して頂きたいと思っています。
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