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経営ビジョンおよびDX戦略

株式会社ココロファンは2023年度より3年の中期経営計画策定および経営ビジョンの一新を行いました。

新型コロナウイルス感染症後の新しい生活様式に伴う自社のビジネス状況・経営環境を分析し、デジタル技術による社会や市場環境への影響について検討した上で新たな経営ビジョンを策定しました。

DX戦略策定の背景

企業経営の方向性及び情報処理技術の活用の方向性

AIおよび自動化技術の発達によりITシステム開発分野においても省人化が進んでいる。具体的にはOpen AI社の開発しているChat GPTは、自然言語により要件を入力することによるマイクロソフト社のオフィスツールであるExcelのマクロ開発も可能にしている。

弊社はシステム開発、Webページ・アプリケーション開発、システムエンジニアリング業を中心に、受託開発を行ってきたが、エンジニアの主な仕事であるコーディングやプログラミングがAIに取って代わられることは経営に大きな影響を与えると認識している。

よってここに経営の行動指針とすべき経営ビジョンおよびDX戦略について公表し、未来志向にもとづいて必要なアクションを取ることを宣言する。

代表取締役CEOを中心とした経営会議を実施(CEO、営業担当COO、コーポレート部長CAO)、設立当初のビジョンである「Fun for All, All for Fun」(https://cocolofun.co.jp/vision-culture/)を実現するための経営ビジョンおよびDX戦略についてコーポレート部による立案を実施、検討の上策定した。

弊社は成長性の高いWeb技術に特化したエンジニアリング企業を目指し、一人あたりの付加価値の高い専門人材を育成、少人数で革新的なサービスを開発するスタートアップ企業やDXを進める大企業に対して専門性の高い知識と人材を供給する人材企業として成長すべく事業の選択と集中を実施する。

よって、DX戦略を以下に掲げる。

Webのスペシャリストとして顧客の要望以上のパフォーマンスを発揮する人材育成

次にこのDX戦略をどのように実行するかについて、具体的方略を検討した。

経営ビジョンに対応するビジネスモデル

これまで弊社は社会を動かすITプロジェクトに携わり、開発および運用業務を受託、専門的な人材を育成・配属することを通して業界に貢献してきた。

しかし、近年の新しいITにおいては、従来型のシステムインテグレーターを中心とした大規模かつ長期計画開発ではなく、究極の目的を目指して、小規模で短期的な目標を掲げて、トライ・アンド・エラーを繰り返すことの重要性が指摘されている。

移り変わりの大きい時代の中で顧客ですら課題を言語化できないこともある。そのような時代や顧客ニーズの変化に合わせ、常に「何をすることが最も価値が高いか」を考え、顧客よりも一歩先を実装しなければならない。

ココロファンは、今後成長市場であるWeb技術に特化し、社員に対してリーン開発やWeb技術に対応するリスキリングを進める。これによりDXを推進する企業のITプロジェクトやSaaS開発企業、クラウドサービス開発企業へのソリューション提供を可能にする。

優れたDX人材を通して、顧客に「これが欲しかった」と驚きを与えると同時に、人材輩出企業として、弊社で育ったエンジニア人材が社内のプロジェクトで活躍できる場を作る。それだけでなくその時の状況に応じて人材マーケットニーズを踏まえたキャリア開発の支援を行う。

また、エンジニアの働き方は柔軟になっており、正社員として雇用することだけ、適切な報酬を提示するだけでは腕の良いエンジニアをつなぎとめることは難しくなっていると認識している。

技術的な挑戦や、社会へのインパクトなど、エンジニアとしてワクワクするような仕事を提示することは当然ながら、よりよい活躍の場を求めて弊社を退職した後もフリーランスや副業エンジニアとして良好な関係を構築し、サービス開発に取り組むコミュニティを作ることは長期的に企業価値を向上させる。

目下、課題は山のようにあるが、一歩ずつ改善活動に取り組み、自社の事業創出、顧客に高付加価値な業務に取り組む組織構築、そしてココロファンのエンジニア人材ブランドを構築することにより、長期的な会社の魅力向上、および事業成長を目指す。

エンジニア輩出コミュニティーの創出

弊社は受託開発型のシステムエンジニアリング企業である。クライアントは大きく2つに区分することができる。大手IT企業、SI企業向けのシステムエンジニアリングサービス、そして主に中小企業向けの受託開発ビジネスである。

これまで弊社人材の多くは社会インフラとなる大規模ITプロジェクトに関わることが多かったが、近年はWeb系と呼ばれる、ITベンチャー企業、スタートアップ企業に対して開発支援を行うプロジェクトの存在感が高まり、Web系エンジニアも増加している。

こうした新しい分野のエンジニアは市場からも需要が高く、その結果として優秀なエンジニアの取り合いとなっており、雇用の流動性も高いため、Web系エンジニアの育成及び雇用の定着は重要な課題である。

弊社は、自社独自の研修カリキュラムによるWeb技術や実践経験の習得と、これまでに培った開発経験や複数人での効率のよい開発手法に強みがある。この独自性を活かし、圧倒的なスピードで人材を育てお客様に価値を提供することで、Web業界における独自のポジションを構築する。

また、社員のキャリアプランに応じて、フリーランスとして独立することを支援したり、転職後も弊社案件の業務を委託することも視野に入れ、それぞれのライフプランをもつエンジニアと会社の成長を一致させながら事業目標を達成する。

 

ビジネスモデルを実現するための戦略

企業経営及び情報処理技術の活用の具体的戦略

情報活用により企業経営を発展させるため、まずは工学(エンジニアリング)を実践する者であるエンジニアが担うべき理想を再定義した。

「工学とは数学と自然科学を基礎とし、ときには人文社会科学の知見を用いて、公共の安全、健康、福祉のために有用な事物や快適な環境を構築することを目的とする学問」である。

我々は公共の安全、健康、福祉のために「有用な」事物や快適な環境を構築するという目的を志、広く社会をより良くするために知識を用いて付加価値の高い仕事に注力することを経営を通して目指す。

そのために現状分析を実行したところ、いくつかの課題が浮かび上がった。

  1. 受託開発ビジネスに依存する経営
  2. エンジニアの多様なキャリアに合わせるため分散するプロジェクト
  3. オフショア開発、ニアショア開発の成功に伴う価格競争
  4. アウトソースニーズの高い保守運用系プロジェクトの増加
  5. リーダークラス人材育成環境の不備

これらの課題は長年日本のIT業界において当たり前とされてきた外部環境を受け入れ、受動的な対応に負われてしまったがゆえの課題である。

弊社は既存の顧客を通して案件を獲得しており、巨大産業であるIT業界の慣習を変えることは容易ではない。しかしながら、今できることを少しずつ実行していくことで、企業の方向性を変えることは可能である。

こうして、2023年度より新たな経営ビジョンを打ち立て、具体的な行動計画を策定することとなった。

「Webのスペシャリストとして顧客の要望以上のパフォーマンスを発揮する人材」を育成し、各々がプロジェクトにおいて主導的な役割を担うためにはリスキリングが必要である。

そのため、設計及び開発人材の育成を進めることとした。今後成長市場であるWeb技術に特化することを決定し、まずは希望する社員に対してリーン開発やWeb技術に対応するリスキリングを進めている。

これによりDXを推進する企業のITプロジェクトやSaaS開発企業、クラウドサービス開発企業へのソリューション提供を可能にし、一人の専門性の高い人間が顧客に対して高い価値を提供すること、そして高い意識を持った個人がチームとして適切な役割分担を実行する。

我々は今後も成長著しいWeb技術に特化したエンジニアリング企業を目指し、一人あたりの付加価値の高い専門人材を育成、少人数で革新的なサービスを開発する。また、既存のエンジニアリング事業で培った営業力を活かし、このような人材が最も活躍できる開発案件の獲得に注力する。具体的には成長中のスタートアップ企業、そしてDXを進める大企業に対して専門性の高い知識と人材を供給する。

既存のエンジニアリングサービス事業から生まれるキャッシュフローから従業員のリスキリング、Web人材の育成を実施する。数年後には従来型の保守・運用人材と比較して、一人あたりの付加価値が20%向上することを目指している。

また、人材活用のためオンライン学習サービスの学習データを活用し、社員の進捗状況および学習意欲を把握、それぞれに合わせたキャリア開発に役立てる。

その他、具体的な取り組みは以下の通り。

・組織管理システムの人事データ活用
SaaSにより入社から従業員の人事データを収集、勤続年数や退職率などのデータをすぐに取得できるよう分析ツールを用いて人材情報を管理している

・ERPシステムのクラウド化
経理、財務、給与計算、経費精算等はすべてクラウドソフトウェアを活用し、APIによるデータ連携によりより効果的な半自動化システムを運用している。

・オンライン学習サービスの活用
MOOCsなど民間学習サービスにより、大学・大学院レベルの最新技術を学べる体制を構築した。将来的には学習記録の分析により、キャリアに合わせた面談やスキル支援に活用する。

戦略を効果的に進めるための体制

CEO直下のコーポレート部をDX推進の中心組織としてDX戦略を事業に落とし込んでいる。また目標管理制度としては、OKRを導入し、全社戦略に基づいて部門、そして各個人ごとの目標を四半期ごとに把握することとしている。

また、推進メンバーに対しキャリアコンサルタントの資格取得支援を実施し、適切な助言や指導を行えるようにする。
2023年中に採用の強化を行い、コーポレートのメンバーを増員してDXを推進していくための教育を実施する。

デジタル技術を戦略実行にどう活かすか

最新の情報処理技術を活用するための環境整備の具体的方策

  • オンライン学習サービスでの知識習得と社内システムを構築し、そのシステムの改修を行うことでの実践的な経験や技術力向上を行う。
  • CRMシステムを強化し、案件情報を全体や詳細をデジタルで素早く確認できるようにすることで、人材の効率的な運用を実施する。これにより適切な案件へのアサインや人材の育成につながる案件をリアルタイムに把握する。
  • Google WorkspaceやKinnoteなどのクラウド型デジタルコラボレーションツールを活用し、現在持っている案件や追加された案件を管理を整理し適切な人材の提案と配置を行い技術向上のスピードや質を高める。
  • ドットインストール、Udemy、デイトラ等の評価の高い外部研修サービスの学習進捗や1on1でヒアリングした情報を管理し、社員のリスキリングや目標がぶれたり、外れたりしないようにフォローする仕組みを構築する。
  • IT開発は手を動かすことが最も良い経験となるため、クラウド環境や統合開発環境等を研修・スキルアップ用に開放し特定の権限で自由に利用できるようし自学習の質を高める。

これらの実行のために会社が行うこと

  • 利用するオンライン学習サービスの固定化、研修からOJTまでの流れを整理すること
  • 営業向けの管理システムを導入し、営業がここに持っている案件の集約と運用フロー策定
  • 従業員を管理するための人材マネジメントシステムの導入と運用フローの策定

達成度評価方法

戦略の達成状況に係る指標の決定

OKRに基づく目標及び鍵となる指標を計測し、従業員と定期的な1on1を実施、方向性に向けた学習方針、キャリアパス相談を行いつつ動機付けを行う。

2023年中にDXスキル(Web・クラウド等)のキャリア・スキルを持つエンジニアを全体の30%に増やす。

戦略の推進を図るための情報発信

弊社サイト「ブログページ」より外部向けにDX戦略や取り組みについて発信している。
また、会社公式Qiitaよりエンジニア向けのノウハウを発信している。