「法人登記簿謄本を法務局まで取りに行くの大変だな」
不動産の賃貸借契約や銀行からの借入の金銭消費貸借契約を結ぶとき、
ほとんどの場合で必要な書類として登記簿があります。
これまでは管轄の法務局まで取りに行くことが当たり前だったのですが、
現在は「登記ねっと」という法務局の専用サイトから入手できます。
今回は簡単に登記簿や印鑑証明書を手に入れる方法をご紹介します。
法人の登記簿謄本・抄本は500円、印鑑証明書は450円で取得可
登記簿謄本(とうほん)や登記簿抄本(しょうほん)はどちらも登記簿ですが、
謄本はすべての事項を記載しているもので、抄本は一部の事項を記載しているものです。
個人の戸籍にも全部事項証明書と一部事項証明書があるのと同じです。
法人の登記簿を手に入れるには冒頭の通り法務局に取りに行くのが一般的でしたが、
現在はe-Gov等の推進により法務局のインターネットサービスから入手できます。
現在、法務局が公表している登記手数料のページを見てみると、
登記簿謄本のオンライン請求・送付で500円、
印鑑証明書のオンライン請求・送付で410円です。
法務省|登記手数料について
http://www.moj.go.jp/MINJI/TESURYO/
ちなみにインターネット上で登記事項を閲覧するだけであれば334円です。
登記情報提供サービス
https://www1.touki.or.jp/gateway.html
法務局のサービスには「ソフトウェアが非常に使いにくい!」という課題があります。
それでも結構頑張っていて、最近は「登記ねっと」というWeb上から、
登記簿謄本をオンライン請求できるサービスがあるので便利です。
こちらの使い方についても後ほどご紹介します。
Grafferで登記簿謄本や印鑑証明書を取得するときの手数料
登記簿謄本の取得には民間のサービスを使うことも可能です。
Grafferの登記簿取得サービス
https://ttzk.graffer.jp/corporate-certs#price
例えばこちらのサービスではいくらで登記簿が取得できるのでしょうか。
画像の通り1通あたり540円で登記簿謄本の取得ができます。
また、印鑑証明書についても1通400円で取得ができますね!
このGrafferは民間のサービスでありながらとても安いと言えます。
もちろん、サービス使いやすさ向上のために費用がかかるので少し高いですが、
オンラインでかなり使いやすいサービスとなっています。
1通あたり数十円の違いで法務局のソフトウェアよりも使いやすいので、
あまり煩わしくしたくない人にとってはおすすめです。
法人登記簿謄本・抄本だけであれば登記ねっとがおすすめ
「やっぱり法務局に直接オンライン請求したい」
そういった場合、一番簡単な方法は法務局の提供するWebサービスが使えます。
「登記ねっと 供託ねっと」というところから申請ができます。
Webブラウザから申請者IDとパスワードでログイン後、申請、支払いができるサービスです。
使えるOSはWindows8.1もしくは10でInternet Explorer11が推奨です。
しかし、試しにMac(Google Chrome)から登記事項証明書交付申請をしてみたところ、
なんと、Webブラウザから請求ができそうでした。
ただし、納付方法としてペイジーもしくはオンラインバンキングが使えるのですが、
多くのオンラインバンキングはやはりWindows10とIE11を推奨(もしくはそれのみ)なので、
結局ペイジーとなるとわざわざATMまで出向く必要が出てくるところです。
絶対にオフィスから申請したいという方はWindows10が必要になりそうです。
ちなみに、登記ねっとを利用するにはまず「申請者登録」が必要になります。
そこでIDとパスワードを取得してから、「かんたん証明書請求」を行うと、
法人登記簿であればオンライン請求(郵送)で500円で取得できます。
送料込みでワンコインだと思えばとてもお安いですね。
Webの入力画面は少し古いところがありますが、
基本的には入手したい法人を検索してから、届け先(申請者)を設定し、
オンラインバンキングで振り込みを行うだけで、2〜3日後郵送されます。
実際に依頼したところ法人登記簿はなんと翌日に届きました。
印鑑証明書の方は審査に時間がかかるようで2,3日かかるようです。
2020/05/29追記:印鑑証明書は2日かかりました
都内であれば普通郵便で午前中に依頼しておけば翌日登記簿、翌々日印鑑証明書取得できそうです。
心配な方は速達や書留を指定しておけば料金は高くなりますが利用できます。
法人の印鑑証明書をオンライン請求したい場合はどうする?
印鑑証明書はWebサービスである登記ねっとから申請することができません。
法務局の用意する「申請用総合ソフト」をWindowsにインストールする必要があります。
これは、印鑑証明書は公開されている情報ではないために、
本人が請求していることが確認できる必要があるからです。
そのためには「電子証明書」が必要です。
法務局で発行している電子証明書が一番安く簡単だと思いますが、他の電子証明書でも可です。
このソフトウェアは登記申請から証明書請求まですべてできるソフトであり、
電子証明書の付与にも対応しているので印鑑証明書の請求もできます。
しかも、ソフトウエア自体は無料で提供されています!
行政書士さんや登記を専門にしている人のためのソフトなので、
すこし使いづらいところがありますが、当然普通の人も使って良いものです。
「じゃあなぜ皆、オンライン請求でこのソフトを使わないの?」
一番の理由は「使いにくいから」です。
GrafferさんのWebページに記載の通り、UXに難があるため、
e-Gov系の事務処理経験やITがあまり得意ではない方だと申請するのが困難です。
もう一つの理由はそもそも従業員の社保手続きと比較して、
法人登記簿が必要な場面は限られるためわざわざ操作方法を覚えないからでしょう。
しかし、今回はどうしても電子申請をしてみたいということで、
実際に法務局の総合申請ソフトを使ってみました。
次回実際に申請用総合ソフトを使った申請方法について、
画像を使ってご紹介したいと思います。乞うご期待!