会社の住所が移転したときにやらなければならない手続きの一つに、
従業員が住んでいる自治体に対して特別徴収義務者である会社から変更届があります。
これは一般的には「特別徴収義務者所在地・名称変更届出書」と呼ばれており、
通常は自治体から届く特別徴収義務者宛の冊子にフォーマットがあります。
また、それぞれの自治体のWebページからPDFファイルをダウンロードできます。
しかし、これらの方法では結局手書きで書類を作成することになり、
また、各自治体に郵送する手間も発生してしまいます。
従業員の住んでいる自治体数は従業員の数以上にはなりえませんが、
それでもかなりの数の自治体のそれぞれのフォーマットに合わせて、
手書きで書類を送付しなければならないということを考えると非常に厄介です。
そこで、今回はeLTAXという地方税の電子申告ソフトを利用して、
わずか10分程度ですべての自治体に特別徴収義務者所在地・名称変更届出書」を提出する方法をご紹介します。
現在はeLTAXのWeb版からのみ届出ができる
eLTAXと言えばデスクトップ版(パソコンにインストールするソフト)のイメージがありますが、
申請や届出についてはWeb版からのみ提出することができます。
eLTAXのWeb版はこちらから利用できます。
https://www.portal.eltax.lta.go.jp/apa/web/webindexb#eLTAX
eLTAXのWeb版を利用するに当たりセットアップが必要です。
事前準備については、こちらのURLより解説がされていますのでご参照ください。
(ココロファンではバックオフィス最適化支援を実施しており、
eLTAXを始めとした電子申告・電子政府のセットアップを行うことができます。
面倒な手間を掛けず早期に業務フローの中に取り入れたいという場合代行することが可能です)
届出提出先となる自治体を登録する
「申請・届出書の作成」をクリックします。
すると下の画面が表示されます。
今回は特別徴収義務者の所在地・名称変更届出書の申請となりますので、
画像の通りこちらを選択して画面右下「次へ」をクリックします。
次に提出先を選択します。
このとき、従業員の居住するすべての自治体を選択する必要があります。
現在はCSV等のデータ入力に対応していないため、手作業で提出先一覧に加える必要があります。
弊社が利用しているマネーフォワード給与というソフトウェアでは、
毎月特別徴収税額帳票を自動作成してくれます。
そのため、今回はこちらの帳票を参考にしながら入力を行いました。
こうしたソフトウェアを利用していない場合は自治体から届く、
特別徴収税額通知書を参考にしながら入力しましょう。
「次へ」を押すと以下の画面が表示されます。
先程登録した提出先事務所を選択します。
こちらは「全選択」を選択してすべての自治体に申請するようにしましょう。
「次へ」をクリックします。
すると、利用者情報登録の画面が表示されます。
こちらでは改めて現在の利用者情報を更新することができます。
住所や電話番号等を入力して、「次へ」をクリックします。
所在地・名称変更届出書を入力する
次に実際に特別徴収義務者の所在地・名称変更届出書を入力します。
自動的に入力が完了している項目はそのままに、オレンジ色の欄を入力しましょう。
各自治体ごとに「特別徴収義務者指定番号」が異なります。
そのため、すべての提出先自治体ごとにこの届出書を作成する必要があります。
すべての届出書が作成完了したら「次へ」をクリックします。
すると、申請・届出書が自動的に保存されます。
次に「申請・届出書一覧」にて保存された申請書を確認します。
すべての届出書を選択したら、画面一番下の「署名付与」をクリックします。
電子署名の付与には電子証明書が必要になります。
電子証明の付与方法は以前コチラの記事でもご紹介したように、
ICカードを利用している場合は「ICカード又はUSBトークンを利用」をクリックして進めます。
法務局の電子証明書のようにファイル形式でもっている場合は、
「他メディアを利用」としてPC等に保存されている電子証明書を選択します。
ここで電子証明につかうパスワードはeLTAXのものとは別ですのでご注意ください。
署名が正常に完了した場合は以下の画面が表示されますので「次へ」をクリックします。
以上で、特別徴収義務者の所在地変更届の作成は終了です。
法人の住所や名称が変更されることは頻繁にはないもののいざというときに最も効率的な方法でできると、
手書きや郵送のコストが圧倒的に削減できます。
ぜひ、みなさんも電子申請を活用して最強のバックオフィスを作りましょう!