住民税を特別徴収している企業等の担当者の疑問にお答えします。
今回頂いた疑問は・・・
「従業員の住民税納付手続きで用いる市町村コードについて質問です。
政令指定都市の区の場合、その自治体の市町村コードはありますか?」
市町村コードとは、情報処理の効率化のため総務省により設定されたコードで、
各自治体に独自の番号が付与されています。
https://www.soumu.go.jp/denshijiti/code.html
日常生活ではめったに使うことがないコードですが、
法人での住民税納付の際には従業員が居住する自治体にそれぞれ納付する必要から、
この市町村コードを利用して支払いを行うことが一般的となっています。
今回のケースでは川崎市という政令指定都市における区にコードがあるかということですが、
結論として、政令指定都市の区にも独自のコードがありますが、
住民税納付においては例えば川崎市幸区であれば「川崎市」としてのコードを利用すればよく、
「川崎市幸区」という区レベルの市町村コードは使わなくて良いことになります。
東京都23区以外の区には市町村コードはない
一方で区と言っても日本全国で特別なものがあります。それが東京都特別区です。
東京都特別区(23区)は市町村とほとんど同じ機能のある自治体です。
そのため、「東京都港区」など全23区ある東京都の区に限って独自の市町村コードを使います。
一方で、横浜市や川崎市、福岡市や仙台市などの政令指定都市における区は、
市町村と同じレベルの自治体というわけではなく、あくまで政令指定都市が設置する機関です。
正確に言えば政令指定都市の区のコードが無いわけではないのですが、
住民税を電子納付する時には使わないと考えて良いです。
よってまとめますと、住民税の特別徴収で利用する市町村コードは、
特別区はそれぞれの区に独自の市町村コードをつまりますが
政令指定都市における区は独自の市町村コードでなく市のコードを利用します。
一般的には専用ソフトで自動的にコードが付与される
一般的には従業員の労務管理ソフトや給与計算ソフトで居住地を設定すると、
自動的にソフトウエアが自治体のコードを付与してくれますので考えることはありません。
しかし、もしeLTaxなどを利用して情報処理を行いたい時に専用のソフトがない場合は、
それぞれの従業員の居住する市町村コードを調べて入力する必要があります。
さきほどご紹介した総務省のWebページにおいてすべての市町村コードは閲覧可能ですが、
いちいち調べていくのは非常に手間のかかる作業になってしまいます。
各自治体から市町村コードを指定されている場合もある
例えば千葉市の場合は「121001」ですが住民税納付においては、
お住まいの地区が中央区だろうが緑区だろうがこの市町村コードを使います。
一方で横浜市の場合は、特別税額通知書には横浜市泉区「141160」横浜市旭区「141127」など、
住んでいる区ごとに別の市町村コードが記載されています。
しかし、実はこういう記載もあります。
「納入時には、納税者欄に記載されている市町村コードではなく、
横浜市保土ヶ谷区の市町村コード141062を御利用ください。」
つまり、住民税納付の際は保土ヶ谷区の市町村コードを入力しておかなくてはなりません。
さらにもう一つ引掛けポイントがあります。
「なお、地方税共同機構が提供する地方税納入サービスを御利用になる場合は、
横浜市の市町村コード「141003」を御利用ください。」
普通の人なら、えーっ!意味わからない!とびっくりしてしまいます。
これはeLTAXを使った電子納税の場合を指しています。
つまり、結論としては「電子納税するなら横浜市の141003を使ってください。
普通に納付するなら横浜市保土ヶ谷区の141062を使ってください。
しかし、税額通知書にはそれぞれの人の住んでいる区のコードが記載されています。」
ということになります。自治体によって指示が違うので、
ここまで紛らわしい仕組みになるとeLTAXを使おうと思っても怖くて出来ません。
結局これまでやってきたような非効率な事務手続きを我慢してやるほうが、
間違えるリスクが減らせるのであればあまり導入するメリットにはならないでしょう。
それでも、長期的にはシステム化した方が確実にコスト的にも手間としても軽減されます。
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