住民税特別徴収の納付方法は大きく分けて2つあります。
1つが全銀データフォーマットに基づいて、給与計算ソフトからオンラインバンキングにデータを送り、納付する方法。
2つがeLTaxを利用して納付金額を確定し、ダイレクト納付やオンラインバンキングを経由して納付する方法です。
今回は2つ目の方法、eLTaxを利用して住民税を納付する方法において、
先月納付分の金額をコピーして今月の納付情報を作成することができるようになったという改善です。
eLTaxを用いた特別徴収納付の問題点と課題点
これまでeLTaxを使った住民税納付がなぜあまり便利ではなかったかと言うと、
結局手入力で毎月納付情報を作成する必要があったからです。
eLTaxでは自治体から送られてくる特別徴収税額通知書を元に従業員の住民税納付ができますが、
そのための電子データが毎月送られてくるということはありません。
年1回電子データが従業員の居住する自治体からeLTaxを通して送られてきますが、
中途入社があった場合、退職があった場合、休職があった場合、
当然その自治体へ支払う住民税情報は変化していきます。
すると、年1回そのとき在籍している社員の住民税情報を送られてきても、
実質的につかうことができません。
結局は変更があった際に自治体から送られてくる書面である、
「特別徴収税額変更通知書(特別徴収義務者用)」を見ながら、
毎月eLTaxにて入力で行ったほうが間違いが起こりませんでした。
住民税の過去の納付情報をもとにして作成可能に
今回、改善された点に「過去の納付情報を元にして作成」というものがあります。
これは、過去の納付情報をコピーして納付情報を作成できるというものです。
つまり、手入力でゼロからデータを作成することなしに、
一度作成して納付したデータをベースにすることができるようになりました。
もちろん、コピーして作成した明細の修正も可能
これまでの納付情報作成には手入力かCSVファイルの作成が必要でした。
少人数であれば手入力の手間はあまりありませんが、数百名、数千名となると不可能です。
よって給与計算ソフトから全銀データフォーマットによって作成したほうが、
楽に従業員の住民税納付情報作成ができるというのが実務上の方法でした。
しかし、今回の改善によりその月に従業員の異動等で変更があった場合は、
その自治体の納付情報だけを修正すれば良くなったのです。
弊社のように少しずつ社員が増えていくのであれば1名づつ修正を加えていく方法も、
労力がかかりませんから、先月納付情報からいくつか修正すれば問題ありません。
今回のeLTaxの改善は中小企業でeLTaxを活用する企業にとっては、
一つの手段としてそれなりに業務効率化効果があるといえるでしょう。
PCdesk納税メニューに便利な機能を追加しました
https://www.eltax.lta.go.jp/news/02295