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リソースが少ない会社のための新規事業の考え方

みなさんこんにちは。今日は「サービス開発における考え方」についてご紹介したいと思います。

実は私は2018年4月に新卒で入社した会社を辞めてから約2年間、
俗にいう「起業」を目指してサービス開発に取り組んできました。

現在も細々と運営してはいるものの、仲間にはいったん休止するという形としていますが、
違う形の活動になっても、究極的に実現したいことはいつか必ず達成したいと臥薪嘗胆の思いで過ごしています。

そんな私がなぜここにいるのかというとやはり新しい事業を生み出すためです。
とはいっても私も人間なので生きていくだけ仕事をする必要がありますし、
日常の業務に追われているのも現実ですが、単に居座り続けるつもりは一切ありません。

最高の会社を目指して、みんなが最高の業務ができるよう、
今のところすぐ役立つような自分が持つ知識と行動を最大限に生かして毎日運営に携わっています。

もし、近い将来サービス開発に力をより多く注げて、種が自力で成長するところまで見届けたら、
それはひとつ私の仕事が完遂した到達点だと思っていますので、
私はまたべつのチャレンジをするために見送りたいと思っています。

 

新しいことには必ず失敗がついて回るよ!

 

自社サービスというと自社開発したサービスという意味ですが、
自社だろうが一人だろうが世の中でユーザーに使ってもらい対価を得られるサービスを作るということの話をします。
ここでは一応ココロファンが会社であることから、その中の人として取り組んでいるサービス開発を、
自社サービスと呼ぶだけの意味として扱います。

 

この新しいサービスはどうやって生み出されるか知っていますか?

 

「経営者が考えてエンジニアがつくる」とか、
「誰かがみんなにつかってほしくてつくる」とか、
「ビジネスアイデアを持っている人が頑張る」とか、いろいろ回答があるかもしれません。

 

それらどれも正解です。そこで一つ知ってほしいことがあります。

誰しも失敗することは考えたくもないですが、
どんなに優秀な人が考えても絶対に成功するサービスというのはあり得ません。

つまり、経営者にしろ無名のエンジニアにしろコンサルタントにしろ、
「ユーザーがお金を払ってもいいと思えるサービス」を考えるのは自由ですが、
それは実行したとき100%成功するということはまずありえません。

 

100%成功するような事業は必ずもう既に競争になっていますし、
誰かが100%成功することをやりだしたら瞬く間にマネされてしまうからです。

 

言われてみると当たり前のことですが、サービス開発においてありがちなのは、
「作れば必ず売れるはず」という独善的な視点でプロジェクトが進むことです。

必ず新しいことをするには不確実性がついてくるというビジネス視点が欠けていると、
これをものすごく甘く見がちになります。

ついつい、誰もが自分こそ正しいと思ってしまいがちですが、
人が使うことで価値を生み出すサービス開発において、
正解はユーザーのみが知っていることだということはまず最初に腑に落としておく必要があります。

 

はじめの一歩は必ず誰かしらの献身から

 

新しいサービスに失敗のリスクがあるということはわかりました。

次にどうやって作るかということを考えなくてはなりません。
エンジニアであれば自分で作ってしまうこともできるでしょう。
エンジニアでなければ誰かに頼んで作ってもらうほかありません。

 

このとき、忘れてはいけないのは自分にしろ人に頼むにしろ「コスト」がかかるということです。

コストというのは経済学の概念で「それを選ぶことで失われるほかの選択肢のこと」です。
ですから、必ずしもお金がかかることだけを「コスト」と呼ぶわけではありません。

例えば、自分で開発をするならばその「時間」だったり「調べ物をする手間」だったりします。
ほかの人に依頼するならそのための「費用」だったり「お願いする労力」だったりします。

ここで改めて思い出してほしいのは、「絶対に成功するサービス」というのはないということです。
つまり、自分で作るにしろ、誰かに作ってもらうにしろ「コスト」がかかってしまうのは当然ですが、

そのコストを回収できるかどうかというのは最初からは絶対にわかりません。

 

自分の自由な時間を使うプロジェクトなら勉強としてやってみるのも価値がありますが、
お金を手に入れるための手段としてサービスを企画するとしたら、
やはりお金を出す人、つまり資本家(出資者)にも背負うリスクがあります。

 

新しいサービスを作ろうと考えたときは必ずその背後に誰かの貢献が必要です。

 

それは開発するための技術だったり、ノウハウだったりしますし、
誰かに仕事を依頼するための資金だったりします。
いずれにしても寝ているだけでは、仕事をしていても簡単には手に入らないものです。

もちろん、ボランティア活動等を見ても最初はやりがいで参加してくれるかもしれません。
でも、やっぱりそれだけでは生活が維持できません。
能力のある人がその力を長期的に生かしてくれるような仕組みにするためにも、
決して、やりがいだけではなくサービスは必ず「お金」に繋がらなければならないのです。

間違ってはいけないのが決して「お金が欲しいからサービスを開発する」のではありません。
誰かの貴重な知識や時間という資産を使ってもらうということに対して、
無償ではずっとお世話になり続けることは難しいがためにお金を生み出す仕組みが必要なのです。

だからこそ、仕事は必ずしもプロジェクトに参加している全員の意見を聞くことは難しくなります。
最終的にそのプロジェクトのリーダーがいるとして、その人が何らかのコストや責任を背負うのであれば、
開発チームの意見ばかりを聞いてしまって失敗したときにその責任が取れないからです。
つまり、誰かがどこかで腹決めをしてそのコストを負担してくれない限り迷走します。
 
必ずしも成功するとは限らない状況でその最初の一歩は誰が踏み出しますか?
この恐ろしさがあるからこそ、相応の対価を作る必要もあるし、全員の意見を反映させることはできないのです。

 

限られたリソースでサービス開発をはじめよう

 

これまで本当にたくさんの人にお世話になってサービス開発をしてきました。
振り返った時に私がかかわった人々が資金調達に成功したり、
たくさんの人に使われたりしているのを見ると無駄ではなかったと思います。

しかし、かかわってくれる人全員を幸せにできるくらいに成功させることはできませんでした。
例えば自分だけそこそこ儲かるようなものは、例えばブログや小さなサービスの広告収入があります。
こういったものは1年くらい真面目に取り組めばそこそこの売上になります。
でも、それがやりたかったわけではありません。

やっぱり、関わってくれる人が全員ハッピーになるようなプロダクトにしたいなら、
安定的に収益が上げられるようなマネタイズの仕組みがきっちりあるサービスを作る必要があります。

しかし、これは何度も言うようにとても難度の高いことです。

起業やサービス開発に関する様々な知識やノウハウは本やWebにたくさんありますが、
実のところまだまだ表面的なことしか伝わってないように思います。

そんななかでboardというサービスを運営している方のスライドが目に留まりました。
世の中に数多くのスタートアップのための思考法はあれど、
これほど地に足のついたサービス開発を実現できる会社は多くありません。

ぜひ一度読んでみてください。

この中の一文は多くを持たない弱者なりの戦い方として至言だと思います。

 

重要なのは「やり方」ではなく、それを「どうやるか」だと思う。

 

全部を完璧に作ろうとしたとき、資産の少ない会社や個人は圧倒的不利です。
小さいなりの戦い方、戦う場所、戦う方法を見つけ、それをひたすら実施することこそ、
弱者にとっての最強の生存戦略であり、最も重要かつ難しいところです。