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フリーランスと会社員のどちらが良いのかで悩んだとき

フリーランスと会社員を経験して思ったこと

 

私は新卒で会社員として3年働き、その後は曲りなりに起業家として活動をしてきました。

投資家にピッチをし、アイデアを具現化し、ユーザーを追いかけてきました。
起業と言っても急成長を目指したイケイケのベンチャー企業のようなかっこいいものではありません。

最初は一人で、途中から会社勤めの仲間になんとか協力してもらいながら、
なんとか役立つ活動ができないかと模索していたら、
いつの間にかあっという間に時間が経っていたようなものでした。

結果的に何か成果があるのかと聞かれると「ギクッ」となります。
少なくともビジネス的にはありませんでした。

それでも、自分が生きていくだけに十分な程度には生活できていたのですから、
その意味では世間一般的に十分に働いていたとも言えるかもしれません。
今っぽく言うならフリーランスをやったと言っても良いと思います。

しかし、そんな私もやはり実際に一人でやってみて、
やりたいことをやってよかったなと思うコトもたくさんあり後悔はしていませんが、
やっぱり会社を飛び出したとき、
会社には会社なりにメリットや成長機会があるよなと気づきました。

独立するというのは自由に生きることのようで憧れることもあるかもしれません。
現代では経済的には不安定でもフリーランスを選ぶ人もいます。

確かにそのようにできる人もいることはいます。
ただ、やっぱり大切なのは自分が対価をいただくだけの武器は、
どこにあるのかという一点が重要です。

そして、それを自覚できなければ雇われもフリーも大差ありません。

現代は会社員も今では副業が推進される時代になっています。
大事なのは何のためにその生き方を選ぶのかということをはっきりさせること。
その意味では人生について深く考える生き方の問題と言えるのかもしれません。

今回は実体験に基づいて真面目にフリーランス(独立)と会社員について、
どちらがどういう特色を持っているのかについて検討してみたいと思います。

 

フリーランスや独立に憧れる人に伝えられること

 

フリーランスと会社員の比較はたくさんの方がされていると思いますが、
結論から言えば「会社員でもフリーランスでも、人によって幸せを感じる業務や職場環境を満たすことが大切で、
経済的な視点から見れば総じて会社員のほうがいろいろな面で恵まれている」ということです。

最初から当たり前の事実を申し上げてがっかりされる方も多いかもしれませんが、
フリーランスになりたいという熱い想いがどうしてもあるのであれば、
それを否定するつもりも、心を折るつもりも全くありません。

ただ、自分の経験からやはりどれだけよく見えたとしても、
それは成功者バイアスが強くかかっていたり、自分の願望を投影していただけのことが多いです。
実際、飛び出して奮闘していましたが、やっぱり考えは甘かったと思いますし、
自分の意思だけでどうにもならないことがありました。

例えば、フリーランスは確かに自分で自由に仕事を行うことができますが、
その自由の前提となるのは自分指名で仕事を頂けるお客さん・クライアントがいるということです。

つまり、自分と気の合うクライアントや信用できるお客様と取引できるということで、
初めて自分がワクワクするような仕事が頂けたり、自由仕事させてもらえるからです。

多くの方が思い描いているのはこうしたフリーランス像だと思います。
しかし、フリーランスだからといってこうした働き方ができるわけではありません。

まず先にフリーランスになることに憧れてしまうと、
単純に誰かから仕事を請け負って、お金を稼げれば良いと考えています。
それは一時的な食い扶持を保つための仕事にはなりますが、自分でその先のビジョンが描けてないと駄目です。

それは現時点での仕事の単価の問題ではありません。

今需要があるスキルも3年後、5年後、10年後には陳腐化することが普通です。
現時点で自分指名のお客さんを見つけられていなければ、
結局はフリーランスエージェントや他の人のつてで仕事を回してもらうことになり、
そのような薄い仕事の関係では単なる便利屋さんや下請けになってしまうからです。

もちろん、条件だけをみて選ぶこともできますし、それもまた一つの価値判断基準でしょう。
大切なことは自分のその意思決定を自分が大切にしている判断軸で行えるかどうかです。

会社員だと他の人がやってた仕事もフリーランスなら自分でやることになります。
すべての仕事を一度自分で経験してみるというのもそれはそれで資産になります。

フリーランスのほうが自分で判断する機会は圧倒的に増えますから、
そういう経験もまた人間的に成長するということはあるでしょう。

一方で価格交渉や契約の打ち切りなど気まずいことを話さなくてはならない機会も増えます。
それらの経験すら自分で選択したのだと理解した上で決められたのなら、
自分にとっては十分に良い選択となるはずです。

 

フリーランスの限界は信用の限界問題

 

一人でできる仕事というのは高い専門性があるとされてきました。
しかし、今現在いわゆる士業の方々は業務独占資格などを武器に仕事を請け負っていますが、
競争は厳しく、食いっぱぐれる士業は少なくありません。

これは専門性というものの価値が失われているということでもあります。
つまり、高度に複雑化する社会の中で、
一人の人間が生み出せる価値はよほど高い能力が無い限りは限られているということです。
今後は一つの専門性だけを武器にして戦うことはほとんど勝ち目がないと考えて良いでしょう。

会社はみんなで仕事を分業することで、自分の得意な仕事にある程度専念して、
大きな仕事をすることで、一人より大きな利益を上げることができるという利点があります。

個人事業主だとどうなるかというと自分の仕事の幅は自分ができることに収まります。
つまり自分ができることをする、スキルを切り売りすることで生計を立てるしかないのです。

会社員であれば経営者がリスクを取ってプロジェクトを社員と共に進めるわけですから、
少なくとも仲間として新しい価値創出の一員として参加することを期待されますし、
自分が苦手な仕事や面倒な手続き、法務や経理などのしっかりしておくべきところの検討まで、
他の専門職が無料で手助けしてくれるという点でより大きいプロジェクトを進めることができます。

変化の早い現代だからこそ会社の本来の意味が浮き彫りになりつつあります。
それは、一人ではできない複雑な仕事をある程度の時間と労力をかけて達成することです。

それでは、なぜこうした理想的なフリーランスによる共同作業ができないのでしょうか。
これは、信用の問題なのです。

仕事という以上誰かから対価をもらうわけですがその際に受け皿となるものが必要です。
それに、その仕事を完成させられると信じられる仲間を揃える必要もあります。
最終的に責任を取る人も必要です。

こうした信用の問題を補完するような仕組みは現時点では会社以外にはありません。
しかし、フリーランスのプロジェクトチームで仕事ができないわけではないと思います。

例えば海外のプラントエンジニアリングはフリーランスのエンジニアが活躍しています。
ここには極めてニッチかつ技術的に経験の必要な高度な仕事があるために、
経験のあるエンジニアはフリーランスでも十分価格競争力があるのです。

また投資組合のようなスタイルも一つのあり方かもしれません。
一部のクリエイティブな仕事では名の売れている人たちによるプロジェクトベースの仕事が一般的です。

しかし、やはりプロジェクトベースで仕事をするにはそれぞれに信頼関係がなくては成り立ちません。
スキルがあってもその人達全員で仕事をしたことがなければ上手く終えられるかわからないからです。
逆に言えば、どんな人達でもまとめ上げるリーダーの信用があれば、
本当にフリーランスのメンバーだけでこれまで会社でしかできなかった仕事もできる可能性を秘めています。

ただ、現時点ではほとんどの仕事において分業によって、
他の組織から仕事を請け負えるような仕組みは法人(会社)というわけです。

逆に言えばフリーランスの仕事は一人で完成させられる業務を請け負うことになります。
一人で完成させられる仕事ですから、当然に比較的単純な仕事になります。
(ここでいう単純な仕事というのは専門性や難易度の問題ではなく、
複数人で分業することで初めて顧客を満足させることのできるような仕事ではないという意味においてです)

こうした単純な仕事はその人に独自の仕事を請け負うルートが無い限り、
つまり、市場にある仕事を請け負うという限りに置いては参入してくる人がたくさん現れます。
結果的に供給量が増えるため競争が激化し、一人あたりの報酬は低下していきます。

今、いろいろなフリーランスのための募集サイトで起こっていることは、
一部の信用のあるフリーランサー以外の比較的競争が激しい仕事の価格破壊です。
そこには仕事を共に達成するパートナーではなく単に安いから依頼する人の姿しかありません。

フリーランスとして人の仕事を請け負うことが悪いとかそういうことではありません。
世の中の構造的に一人のフリーランスでは難しい仕事というのがあるということです。

 

会社を辞めないほうが良いというもまた誤り

 

フリーランスになることを周囲の人に話したとき必ず一人は会社員のほうが良いというでしょう。
それは、これまで述べてきたように一般的には正しいと言えます。

しかし、会社員のほうがリスクを背負わないから良いかどうかは自分が決めることです。
例えば会社員は労働者として雇用されることで得られる安定や給与は、会社の指示に従うということが前提です。
転勤や配置転換が行われるし、多くの方は会社の指示にに従わざるを得ないのです。

一方でフリーランスは個人事業主ですから嫌な仕事はしなくていいと言えます。
反面、すべての仕事を断ってしまえば当然収入は途絶えます。

労働者ではないですから労働保険・雇用保険は当然加入できませんし、最低賃金等の法律も適用されません。
税金や年金、健康保険、仕事を取ってくる営業活動もすべて自分で仕事をこなさなくてはなりません。

こういう事実を検討した前提でもフリーランスの生き方が魅力的ならそれを選択すべきです。
ただ、その選択はすべて自分の責任です。その覚悟は必ず必要だと思います。

フリーランスを検討していた人の中には「やっぱり会社員のほうがいいかも」と思うかもしれませんが、
今からでもフリーランスとしてどう生き残るかの戦略を考えればいいのです。

自分が現時点で考えるフリーランスとしての生存戦略を副業という形で実行してみて、
上手く自分の理想とする生き方に持っていけそうならその時初めて独立すればよいのです。

今回は主に私の経験からフリーランスと会社員がどう見えるかについてご紹介いたしました。
これらの主張はあくまで私一人の意見ですので、これをもって判断するのは絶対にやめてください。
自分で考えてみたときに今足りないもの、そしてこれから身につけるべきものがイメージできたら嬉しく思います。

それでは次回はお金について会社員とフリーランスを比較してみたいと思います。