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なぜ間接費を10分の1にすると会社が恐ろしく強くなるのか

最近、利益を生み出すバックオフィス業務の確立に励んでいます。
しかし、残念ながらこれまでやったことない仕事なのでミスをしてしまうことや、
うまいこと導入できず失敗してしまうこともあります。

慣れない業務を探り探りしていくのはストレスがたまりますが、
新しい失敗をすることで新しい知識を得られるのはちょっとうれしいところもあるんですよね。

なぜならミスが起こりにくいシステムを作る知見を発見したわけだからです。

 

今回は失敗してもこれから上手く運用すればミスが減ることで手間も省けます。
会社としても銀行から手数料も取られずに済むし、属人的スキルに頼ることなく、
マニュアルや書類に残して運用方法さえ伝えておけば、
経験がない人誰でもこうしておけばある程度ミスが防げる状態が作れます。

大企業では全従業員の5分の1くらいの人間が間接部門で動いてます。
もしかするともっと多いかもしれません。

最近はこうした間接部門はアウトソーシングされることが増えています。
なぜなら、これらを削減するのは売上を上げるより経営にも大きな効果があるからです。

 

会社の仕組みが円滑に回るとどれくらいの効果があるのか?

 

会計の話になるので眠たくなる人は飛ばして貰えればと思います。

この視点は頭ではわかっていたのですが、
実際にはピンとこなかったところがあります。

なぜなら、数字で分かっていても実際やってみると予想以上に上手く行かないからです。

上手く行かないことを知ったときにどうこの数字を詰めていくか考え始めます。

理論上は分かっていても現実はもっと雑多な悩みがたくさん出てくる中で、
改めて「そうだよな。でもどうしたらそこを解決できるんだろうか」と考えるわけです。
そんな中で、今回は間接費に注目して改めて基本的な考え方をちょっとご紹介します。

 

今回取り上げる間接費というのは売上総利益(粗利)から支出される費用です。
売上総利益というのは売上を100として原価が70だとすると、残りの利益で今回は30が売上総利益です。

売上総利益は別名「粗利」といいます。(なんででしょうかね?)

ビジネスは絶対に誰かが働いて作ったり、ものを仕入れたりするので、
その分の費用がかかるというのは誰もがわかると思います。
そのビジネスをする以上は必ずかかる費用ですが、必要な仕事はもっとありますね。

 

例えば経営者だったり、銀行からお金を借りたり、給与計算や経理をしたり、
会社の書類をつくったりする人も必要です。こうした人は必要ですが売り買いするものでも無いので、
原価ではなく間接費になります。

例えば30の売上総利益からさらに間接費10がかかるとしたら利益が20残ります。
粗利から間接費を引いた利益を「営業利益」と言います。

つまり間接費というのは粗利からさらにかかる費用になります。

フリーランスの人は自分の給与だけしか掛からないように見えるのでここがごっちゃになります。
実際はフリーランスとしての仕事以外に、自分が本業とは関係ない時間に、税務や営業や法務などを自分でするか、
時間がなければ専門職に依頼する必要がありますよね。その分の働きや費用は間接費です。

結局はフリーランスも本業を他の人より効率的に終わらせ、
間接的な仕事も含めて他の人と少なくとも同じくらいのコストで終わらせられるとようやく市場に勝てます。
(現実はコネクションや人間性のようなもので決まる要素が大きいですが)

話が少しそれましたね。もしこの間接費を売上の10分の1にできたとします。
これまで10かかっていた間接費が1になりますから、営業利益は9増えて29になります。

 

間接費が極限まで抑えられると営業を増やすより利益が出る

 

「なんだ、20が29になっただけじゃん」

 

そう思いますよね。売上は変わらなかったら9しか増えない。
数字上は確かにそうなのですが、実は経営へのインパクトは全く異なります。

 

間接費が当初のままだったとして営業利益を9増やすためには売上を30増やす必要があるからです。

 

例えばすでに頑張ってるのに「今より3割売上を伸ばせ」と言われたら、
大変なノルマだと思うのではないでしょうか?

しかし、元々間接費を小さくしておけば疲弊して規模を広げる必要はありません。
結果的に無駄に人を雇ったりすることがないので経営がとても楽になるのです。

今回は原価は常に7割かかり、間接費は常に10かかると仮定した場合を想定しました。
ただ、実際には業務が効率化されていない場合は間接費も売上の伸びに応じて増えることが多いので、
だいたい33くらい売上を増やさないと営業利益を9増やすことはできないのです。

「売上目標30%増」を目指すことも必要ですが、同時に会社の業務が円滑に回れば、
それと同じくらい利益を増やすことができます。

結果的には利益が出てないと会社は倒産しますから、
こうした新しい気づきを改善することを続けていると長期的には全体として、

「利益を出しやすい筋肉質な構造にされていてつぶれにくい」のです。

 

高い価値のあるものを売り(≠高級)利益を出すことが全員にとって得

 

今回は、間接費を減らす効果についての一例をご紹介しました。

しかし、現実には会社のトップラインである売上を伸ばさないといけません。
つまり、攻撃側の売上も伸ばしているし、守備側の間接部門も効率的に仕事ができる会社が最高です。

 

利益というのは会社が提供する価値であると思います。
売上を伸ばせば、利益の絶対額(総量)は大きくなりますが、
その分人が増えていれば会社全体として、一人あたりでは利益が増えません。

利益が出ないと給与を増やす余地が生まれないのでずっと成長がありません。

ですから一般的には利益率でみたときに本当の会社の提供する価値が測れます。
高い価値を出している会社は利益率も非常に良いですし、伸びています。

 

会社が成長すればそれぞれがやる気になればどこまででも上に行けるので、
結果的に自分も大きな裁量や高い報酬をもらえることになります。

逆に同じことをやってても社会全体や市場全体で見たときに、
相対的に遅れを取るだけで良くなることはありません。
個人のスキルという意味でもそうですが、間接部門の仕事や会社全体にも言えます。

 

話は冒頭に戻りますが、なぜ新しいことに取り組むのかと言うとつまりは利益を生むためです。
それは、全員の利益になるからです。

 

慣れない業務を探り探りしていくのはストレスがたまりますが、
新しい失敗をすることで新しい知識を得られるのはちょっとうれしいところもあるんですよね。

なぜならミスが起こりにくいシステムを作る知見を発見したわけだからです。

今回は失敗してもこれから上手く運用すればミスが減ることで手間も省けます。
会社としても銀行から手数料も取られずに済むし、属人的スキルに頼ることなく、
マニュアルや書類に残して運用方法さえ伝えておけば、
経験がない人誰でもこうしておけばある程度ミスが防げる状態が作れます。

 

一つ一つの仕事を見たときに、会社全体のシステムの中でどのような役割を果たしているかを考え、
全体を調和させつつ、市場において相対的に先んじた取組みができれば必ず会社は利益を生みます。

そのための試行錯誤をバックオフィス業務でもしているというお話でした。